
私たちを取り囲む社会は、何の問題も有していないものであると認識している人は少ないでしょう。
その反面、"何が"問題なのかを認識せずに、漠然と「問題がある」と認識している人も多いのではないでしょうか。
問題を有しながらも社会は一見均衡を保ち、私たちは日々生活を送ります。
身のまわりのさまざまなところで生じている“問題”は、自分の中で醸成されることなく、
多大な情報の中に埋もれ忘れ去られてしまいます。
そのような現代社会のなかで、私たち法学生がするべきことは何なのでしょうか。
本企画では、法学生が、法学生相互および、実務家もしくは学識者との交流対話を分科会形式で行い、 学生として社会にあるinjustice(不正義)を法を基調として考察します。 それを通して、今ある社会問題を法学生が深く考察し、法の理念の実現した理想の社会とはどのようなものなのかを提示することを目標とします。
本企画の趣旨は、以下の2つです。
①ALSAの活動を提示すること。
②各参加者が、自分たちになにができるのかを探求・共有すること。
①ALSAの活動を提示すること。
ALSAは、アジア各国の法学生による国際ネットワークです。
アジアという地域に基盤を置いて、多様な価値観や国際的な視野を学び、問題を解決していく能力を養うことができる場です。
また、様々な問題を知り、自ら考え、学生や実務家、学識者と交流対話を行うことで、
自分が使命感をもって活動できることは何なのかを発見し、将来の活動へつなげていくことができる場でもあります。
ALSAの"場・環境"としての特徴を実際に示し、体験することができるのが本企画です。
本企画では、未来を担う私たち学生が、社会問題を題材に真剣に議論をし、理想の社会のあり方を検討し、問題の解決へとつなげます。
以上をもって、実社会の問題解決へ向けての一歩をつくりだすことを第一の目標とします。
②各参加者が、自分たちになにができるのかを探求・共有すること。
私たちは現在、さまざまな社会問題の渦中にいます。
その中で私たち法学生が取るべき態度は、社会問題を多角的に捉え、
平和で公平な社会の実現へ向け積極的にinjusticeを是正する姿勢をもつことであるといえます。
"問題"は、認識しただけでは解決につながりません。解決に向けた具体的な活動につなげていくことで初めて、
問題解決の一介になりえます。しかし的確な問題の解決に向けてまずするべきことは、問題の所在を明らかにし、
なにが是正されるべきなのかを独りよがりにならずに理解することです。
複雑な社会にある問題に対し、他者、また実務家・学識者との学術的な交流を通じてその問題の多面性を認識します。
そこから私たちが実現すべき正義とは何なのかを同じく法を基盤とする学生と討論をし、価値観の多様性を認識します。
価値観の対立する社会問題に対し、正義を掲げる法を学ぶ私たちは法学生としてどのようにあるべきか。
これの探求、共有を行い今後の社会問題に対する私たちの持つべき態度を考察します。
以上のように、価値観の多様性の認識と正義のあり方の考察をすることで法学生たる自分自身のあり方を問うことを目指します。
同じ基盤に立つ法学生達が、見過ごされるべきでない社会問題について互いの価値観をぶつけ合い、自分自身のあり方を問うことは、
"学生"としての活動をよりよくするだけにとどまらず、永い将来にわたって大きな影響を与えることと思います。
また、法学生が社会問題に対して真剣に取り組むことは、その問題の将来的な解決へ向けたきっかけになると確信しております。
このALSA Integrationが、法学生としての成長、社会にある問題の解決の一介となることを強く願っています。
共通テーマは、ALSAのアジア、法、学生という構成員的特質と、理念の「地域的協調に基づく平和で公平な社会の実現」をうけて、
「ALSAの可能性の探求~アジアという地域、法の理念、学生の意義~」とします。
この共通テーマをもとに、参加者は5つの各分科会において、それぞれ個別の社会問題を扱います。
各分科会のテーマの設定については、ALSAの特徴である「アジア」と「法」を共通の枠として定め、
これからの社会を担う「学生」が主体的に当事者意識をもって取り組むことを旨とします。
具体的には、指紋押捺、安楽死、臓器売買などの問題を扱います。
本企画は、事前勉強会、分科会、発表会の3つに分かれています。
事前勉強会では、各分科会で取り扱う問題について、その問題の所在を整理し、当日に向けての問題意識を高めます。
分科会においては、それぞれのテーマの担当者の下、ディスカッションを中心に、ディベートや有識者の方の講演・総評を行います。
発表会においては、分科会で話し合われた活動の総括を発表しALSAとして共通の基盤を有する私たちの活動の統一感を共有します。
ここで、二日間の活動の成果を振り返る機会を設け、ALSAの可能性を探求し、これからの活動につなげます。
