Table2「選択的中絶―あなたは障害のある子どもを産めますか?」
TC:岡田真友(中央大学法学部3年)/AC:前川守恒(中央大学法学部2年)

皆さんは自分の子どもが障害児だと診断されたらその子どもを産みますか?

現在、出生前診断技術の進展によって、胎児の情報が次々ともたらされるようになり、生命誕生の現場が変わりつつあります。 出生前診断とは、生まれる前に胎児の健康状態を診断することです。超音波検査、羊水穿刺、絨毛検査などの方法があるこの診断は、 当初、胎児の段階で病気を発見し治療することができる技術だと盛んに語られていました。

ところが実際は、この診断によって、胎児に染色体異常などの適切な対処方法のない障害が見つけられた場合、 障害があるという理由で中絶が行われ多くの命が奪われています。 確かに、出生前診断を受けて子どもを産む・産まないを決めるのは妊婦若しくは夫婦の自己決定だということも出来ます。 しかし、いくら自己決定といっても胎児の生命を奪うことまでも認められるのでしょうか。 

加えて、障害があるという理由で胎児の生命を奪うことは許されるのでしょうか。 障害があるという理由だけで胎児の生命を奪うことは、障害者に対する差別であり偏見ではないでしょうか。

このように、出生前診断・選択的中絶は一括りにして解決するが出来ない困難な問題を抱えています。 今回のAcademic Transactionでは、出生前診断・選択的中絶について、主に障害者差別・自己決定権という観点からアプローチして、 問題を解決するための方向性を探っていきたいと考えています。

私たちは、将来親として子どもを授かることでしょう。その時、自分の子どもが障害児だと診断されたら…。 今回このテーブルで扱うテーマは決して他人事ではなく、将来子どもを産もうと考えている人なら誰もが直面する可能性を持っています。 このテーマを通じて選択的中絶についてのみならず、子どもを産むということの責任・生命の重さについても考えていければ幸いです。